「桜が散るころに/偶然会いましょう/見馴れない服を着て/他人の顔して/もう一度はじまる/いつだって戻れる/長い時間をかけた/最高の恋…」。
アミーガ社は,古いアミーガ・コンピューター用のアップグレード・カード「アミーガワンPPC 1200」と「アミーガワンPPC 4000」と,7年ぶりの新しいマシン「アミーガワン」を発表した。それぞれ,パワーPC G3とG4プロセッサーを使う。アミーガワンに乗る「アミーガDE」と呼ばれるOSは,パワーPCやインテル製チップなど10種類以上のチップで動作し,古いアミーガソフトを動かすエミュレーション機能を持つ。
アミーガワンのウェブページにある「The Amiga is back」という文字が,すべて。CD+DVDドライブのサポートとか,USBとFirewireがメインプラグだとか,100MbpsイーサーとPCIスロットがあるなど,一般的な広い間口を持ったzico(ジーコ)仕様は,記事にあるゾロスロットがない不便を補う,おおむねいい方向のものと思う。もともとモトローラ68kを使った最大限に効率的なチップセットに固執し,そのまま息絶え絶えとなったアミーガだから,汎用性のあるアミーガOSと,標準を多く取り入れたハードウェアは,未来へなくてはならないものだ。
に,しても,アミーガがまだ一流であったときと比べて,時は流れ去った。インターネットもMPEGもDVDもDVもなにもなかったときのアミーガ。そして今,まったく他人の顔として,違う服を着て再び出会うアミーガ。不確かな約束のなかで過ぎ去った時間,そして,もう一度出会う運命。大切なのは過去ではなく,これからでしか,ない。それが,アミーガという名の,「恋愛の時空」。
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